2019年実施IT導入補助金ざっくりまとめ


こんにちは、株式会社Kirabaの堀口です。

IT導入補助金の公募要領が公開されたので、ざっくりまとめてみました。
ソフトウェアの購入費や保守費用など、ソフトウェアに関する経費が幅広く認められています。

本内容には公募要領と、を基に記事を書いております。可能な限り正確な情報の記述を心がけてはおりますが、内容の正確性を保証するものではありません。詳しくは公募要領や補助金事務局にをご確認ください。

IT導入補助金とは

IT導入補助金はソフトウェアの導入による生産性向上を目的とした補助金です。今までは設備投資などハードへの補助金が主でしたが昨年からソフトウェアについての補助金としてIT導入補助金が始まりました。昨年と比較するとHPが単体で申請できなくなったので、残念ながらHP制作を目的とした申請は事実上不可能になりました。また、昨年は申請すれば採択されるくらい採択率は高かったですが、補助上限額が上がって総予算が減少したことで採択率が厳しくなると予想されます。

公募要領は以下の公式サイトから確認できますので必ずチェックしましょう。

IT導入補助金

事業の目的(公募要領2P)

ソフトウェアでの生産性向上を目的にしています。昨年実施のものと基本的な内容は変わっていないです。

本事業は、中小企業・小規模事業者等における生産性の向上のため業務プロセスの改善と効率化に 資するソフトウェアとそれに係る役務等(以下「ITツールという。)を導入する事業(以下「補助 事業」という。)を実施する者(以下「補助事業者」という。)に対する事業劣等に要する経片の一部 を補助する事業を行うことにより、中小企業・小規模事業者等の生産性向上の実現を図ることを目的 とする。

IT導入補助金2019 公募要領より

補助対象経費(公募要領7P)

ソフトウェアの購入費、クラウドサービスの利用料、導入コンサル、保守サポートなどソフトウェアに関する経費が幅広く認められています。昨年と比較するとクラウドという表記がなくなっていますが、加点項目に「国が推進するクラウド導入に取り組んでいるか」という項目があるので対象になっていると考えて良いでしょう。

ソフトウェア、導入関連経費

IT導入補助金2019 公募要領より

今回は以下の表のうち3〜8の機能を満たしていないと認められないというかなり複雑なものになっています。

 

IT導入補助金2019 公募要領より

IT導入支援事業者が扱っている製品しか購入できないので、相談すれば適切な製品を勧めてくれます。そのため申請者はあまりこの点を考える必要はないでしょう。IT支援事業者に相談すれば自分の欲しい製品が補助対象製品にしてくれる場合もあるのでほしい製品があれば相談してみましょう。

IT導入支援事業者は以下の検索ツールから探すことができます。

IT導入支援事業者・ITツール検索

パソコンなどのハードウェア、ハードウェアに組み込まれたソフトウェア、スクラッチ開発したソフトウェアは補助対象経費として認められないので注意しましょう。

予算規模

予算規模は100億円と昨年の1/5。昨年半分くらいしか予算を消化できなかったそうなので下がるのは当然ですが残念です。

100億円

「平成30年度補正予算「サービス等生産性向上IT導入支援事業」の事務局公募について」関係資料より

補助率は1/2のまま、補助上限額が最大で450万となったことから採択予定件数は昨年が13万件に対してたった6000件の予定となり昨年の1/20とかなり悲惨な数です。昨年は申請すれば採択されるくらいに簡単に採択されましたが、今年は採択を得られるかどうかも難しくなりそうです。

補助金額(公募要領7P)

補助金額はA類型とB類型で異なります。A類型よりもB類型のほうが導入するソフトウェアに求められる要件が増えます。

昨年と比較するとB類型で言えば最大450万円と昨年の上限50万円と比較すると9倍になっており上限額が大幅にアップしています。

  • 補助率: 1/2
  • A類型: 40万円〜150万円未満
  • B類型: 150万円〜450万円

IT導入補助金2019 公募要領より

補助率は1/2のままなので900万円の補助対象経費に対して最大450万円となります。900万円使うケースと考えるとかなり活用できる事業者は限定的になりそうです。また、下限額も設定されている点も注意が必要です。例えばA類型の場合は40万円が下限額なので最低限80万円の補助対象経費を支出する計画にしないと申請ができません。

公募期間(公募要領9P)

昨年は3次公募までありましたが、今年は2次までしかありません。1次公募に関して言えば、B類型がA類型よりも2週間程度余裕があります。補助金は早めに申請したほうが採択率が高い傾向にあるため、予定している方は早めに申請しましよう

  • A類型 一次 2019年5月27日(月)〜2019年6月12日(水)
  • B類型 一次 2019年5月27日(月)〜2019年6月28日(金)
  • 二次 2019年7月中旬開始予定

IT導入補助金2019 公募要領より

実施期間(公募要領9P)

実施期間内での経費支出しか対象にならないので、実施期間前に発注したり、実施期間後に納品や入金をした場合補助対象経費として認められなくなるので注意しましょう。昨年は1次、2次、3次で実施機関が各3ヶ月ほど設けられていましたが、今回は1次でも12月24日(火)までと長めです。一次で取っておいたほうが余裕を持って事業が実施できるので1次で申請するほうが期間的にも有利です。

  • 一次 交付決定後〜2019年12月24日(火)
  • 二次 交付決定後〜2020年1月31日(金)

IT導入補助金2019 公募要領より

審査項目(公募要領12P)

審査項目を基に採択不採択が決定します。審査項目を意識するのはどの補助金でも重要なことなので必ずチェックしておきましょう。

事業面からの審査項目
(1)事業面の具体的な審査
・経営診断ツールの各項目において、自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか
・自社の状況や課題分析及び将来計画に対し、改善すべき業務プロセスが、導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果とマッチしているか
・内部プロセスの高度化、効率化及びデータ連携による社内横断 的なデータ共有・分析等を取り入れ、継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるか

(2)計画目標値の審査
労働生産性の向上率

政策面からの審査項目
(3)加点項目に係る取組の審査
・生産性の向上及び働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業に取り組んでいるか
・国が推進する「クラウド導入」に取り組んでいるか

IT導入補助金2019 公募要領より

加点項目

加点項目は以下の通りです。昨年とほぼ一緒ですが「クラウド製品を選定していること」が追加されています。

(1)生産性向上特別措置法(平成 30 年法律第 25 号)に基づく特例措置に関して、固定資産税の特例率をゼロの措置を講じた自治体に所属していること。(先端設備等導入計画の認定は不要)
(2) 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を取得していること。
(3) 経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」であること。
(4)「おもてなし規格認証 2019」を取得していること。ただし、2018年に金、紺、紫認証を取得し、当該認証が有効である場合は、「おもてなし規格認証 2019」の取得は不要。(「おもてなし規 格認証 2019」については、認証ランクは問わない)
(5)導入するITツールとしてクラウド製品を選定していること。

IT導入補助金2019 公募要領より

自分の属する自治体が固定資産税ゼロ特例を措置した自治体化は各自治体に確認しましょう。

地域未来透視促進企業の承認は少し調べた限りでは小規模な事業者ではちょっと難しそう

おもてなし規格認証はかなりかんたんに取得できるので、確実に取得しといたほうが良いですね

IT導入補助金のメリットとデメリット

昨年と比較すると全く別の補助金となってしまいました。採択率も高くHPの作成に使い勝手の良い補助金でしたが2019年実施分はHP単体での申請が不可能な上最低80万円からの支出が必要なことから小規模な事業者にとっては利用することは現実的ではありません。従業員数が20名〜の中小企業さんが生産性向上の目的でソフトウェアをまとめて購入する際などにはとても良い補助金となりそうです。

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