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クラウド利用費 ものづくり補助金の新たな経費について調べてみた


平成26年度補正「ものづくり・商業・サービス革新補助金」(以下 もの補助)で新たに「クラウド利用費」という対象経費が設定されました。 昨年からものづくり補助金へチャレンジしていますが、これはかなり画期的です。

中小のウェブ関連事業への政府の財政支出が本格化する兆し

なぜならば、もの補助は採択のほとんどが製造業が占めており、「商業・サービス革新」と言っても、実質製造業向けの補助金であると言っても過言でく、当方のようにウェブサービスでの事業を申請している事業者にはあまりフィットしておらず、実際に採択事例も少ないです。 しかし、今回「クラウド」という項目が追加され以下の様なものが対象経費として認められると公募要領に記載されており、ウェブなどを活用した事業に対しての政府の積極性が見えます。

<クラウド利用費として算定できる経費>

初期費用

  • 自社が保有しないサーバーの初期設定及びアプリケーションの構築・データ移行経費(提案された事業計画に特化したものに限る)
  • アプリケーションを提案された事業計画のためにカスタマイズする経費
  • 専用アプリケーションの利用マニュアルの作成に係る経費

月々の利用料(事業実施期間中の経費に限る)

  • 自社が保有しないサーバー及びそれから提供されるアプリケーションの利用料
  • 自社が保有しないサーバーに接続するための通信費(固定回線・無線回線等接続の形態は問わないが、専らクラウド利用のためのものに限る)
  • 専用アプリケーションのサポート経費

平成26年度補正 ものづくり・商業・サービス革新補助金【1次公募要領】より

クラウドに関する疑問を聞いてみました

アプリケーションのカスタマイズ費用も認められており、思っていたよりもかなり広く認められています。 しかしこういった補助金は提出が義務付けられている書類堤出や経費項目の内容が定義されており、必要な書類が揃えられなかったり、申請したが認められないなどのことが起こることがあります。書類の定義をしっかり把握していないと、実際に申請してみても認められないということにもなりかねません。 そこで、ものづくり補助金の窓口になっている、地域の中小企業団体中央会さんに確認し、内容を要約してみました。

Q.サーバー領域を借りるものと、ウェブサービスを利用する形態が考えられますが両方共認められると考えて良いですか。

A.今回から設置された経費項目のため、前例がなく具体的にどういったものが含まれるのか明確にお応えできないというのが前提となります。 公募要領を確認した上でこの経費項目に該当すると考えられるものであれば、とりあえず申請していただくのがよろしいかと思います。

Q.クラウドは「設備投資のみ」で申請した場合は対象にならないとのことですが、「コンパクト型」の場合は対象になりますか?

A.対象になります。

Q.公募要領の10ページに「販売促進のための費用(公開のためのホームページ作成料等)は対象になりません」と書いてありますが、ホームページとセットになったアプリケーションをこの経費項目に含めることはできますか。

A.経費項目に含めることはできますが、いわゆるホームページのデザイン費用や制作費部分は補助対象経費として認められない可能性が高いです。システム部分については認められると考えられます。

Q.アプリケーションのカスタマイズする経費が認められていますが、システム会社にアプリケーションのカスタマイズを依頼した場合、「委託費」や「外注費」ではなくクラウド利用費の経費項目に含めて良いですか。

A.含めて良いです。

Q.見積りや契約書が必要とのことだが、サーバー提供会社によっては正式な見積りの発行や契約書の取り交わしができない場合がありますが、必ずないといけませんか。

A.見積りに関しては料金表などでも認められる可能性がありますが、書面による契約書は必須です。

Q.例えば、アプリケーションのカスタマイズを依頼する会社にサーバーを用意してもらい、その会社とサーバーに関する契約書を交わすという形はいかがですか。

A.難しいところですが、他の経費項目の定義を前提とすると、他の会社がその事業のために導入した経費は通常認められません。 以上のような回答を得られました。

まとめ

AWSやレンタルサーバーは経費として認められない?

こうしてみると、例えばAWSなどの比較的安く利用できるサーバーや一部の安価なレンタルサーバーは、書面による契約書の取り交わしが実質不可能だと思いますので、直接利用し、支出した場合認められない可能性が高いように受け取れます。 また、他の会社にサーバー契約を依頼し、又貸ししてもらうのも微妙という形になっているため、仮にサーバーを利用する場合、事業者としてホスティングを行なっており、書面による契約書を取り交わせる会社のサーバーしか利用できないということになります。 この点は、直接サーバーを契約するのに比べかなりコストが高くなりそうです。

ホームページ制作は認められない

ものづくり補助金の性質上、販売促進等への補助ということではないので、ある程度理解できます。例えばシステムと関係のないページを大量に制作し、そのページの経費も認めろとなったら確かに補助金の目的から外れてきてしまいますから仕方ないのですが、フロントエンドが重要なシステムの一部となってきているのに、この辺りが認められないのは「なんだかなぁ」という気持ちになります。

書面よりもログの方が信頼できる気が?

契約書や見積もり書に関して、ログが確実に残り、詳細な利用明細が出るメールの記録やシステム上の記録よりも、取り交わした日付や内容を業者との関係によって、操作できる書面のほうが重要視されているのはなんだか納得ができないです。 書面の方を重視すると、そういったことを柔軟に対応してしまう業者に対し有意的な地位をもった事業者の方が、有利という不公平感があるのは僕だけでしょうか。 虚偽の申請について徹底的に調査しているということであればいいのですが、調査にかかるコストから考えると限界はあるでしょう。

ソフトウェアに対してもっと、投資して欲しい

サーバーやアプリケーションのカスタマイズが対象になったことは大変大きなことだと思いますが、もちろんハードへの投資も必要ですが、今後の成長性を考えると、ソフトウェアに特化した補助金も新設して欲しいです。民間からの資金調達できる環境もまだ十分整備されておりませんので、政府などがもう少し支援してくれればと思います。 また、メールやサーバー上の記録を経費支出の証拠と認めるなどもう少し、使いやすい制度設計をしてもらいたいです。

そうは言っても認められて良かった

色々と不満な点もありますが、とにかく認められてよかったのは確かです。一般型では最大1,000万円までの補助もありますので、採択されれば事業の幅が広がるのは間違いないでしょう。あとは採択事例を見て、実際にウェブサービスの事業者が増えることを願います。

補助金について申請を検討されている方へ

上記の補助金に関する内容は正確性などを保証しておりません。補助金はとらえ方、考え方によって様々な意見があります。地域の公的な窓口での回答を記載したわけですが、地域の窓口も新設されたものに関しては手探り状態です。気になる点はご自身で地域の窓口や専門家に確認してください。 Screenshot 2015-03-04 12.32.27

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